リハビリテーション(rehabilitation)の語源はラテン語のre(再び)+habilis(適した)であり,「再び適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」などの意味をもちます。
時代とともに様々な定義がなされてきましたが、障害を持った人々が、持てる能力を最大限に発揮し、人権が尊重され、生き甲斐を持った生活を送れるように、本人とその家族を中心に、チームで援助する活動と言えます。
当院は、命の危険を脱するための急性期の治療を終え、自宅や社会に戻ってからの生活を少しでも元に近い状態に近づけるための回復期リハビリテーションを専門に行っています。
リハビリテーションの効果が期待できる方を対象に、的確な予後予測(回復の見通し)とゴール設定し、移動・歩行、セルフケア、嚥下、コミュニケーション、高次脳機能などの障害に対し、機能回復,日常生活動作(ADL)の向上および早期社会復帰を目指します。そのために入院期間は最大180日(疾患・状態により異なる)、1日最大3時間行っています。
当院の役割は、機能障害の改善、耐久性の向上をはかり、基本動作能力をその人の生活水準まで高めること1)です。そのためには筋力や体力などの土台の強化だけでなく、安全かつ効率的な動作の学習や代償手段の獲得など多方面からのリハビリテーションが必要となります。
また、循環器専門病院である知見をもとに、全国的にも珍しい回復期での心臓リハビリテーションを積極的に提供しており、健康寿命の延伸を目指しています。
1)松木秀行:回復期リハビリテーション病棟における理学療法士の役割.MB Medical Rehabilitation (162): 46-52, 2013.
怪我や病気によって運動機能が低下した方、精神機能(いわゆる認知症や高次脳機能障害など)の低下によって生活に困難が生じている方の支援を行います。
日常生活動作(食事やトイレ)や家事、趣味活動の獲得、地域活動への参加、就学や就労等に幅広く着目し、リハビリテーションに取り組むという役割を持っています。その人の状態に合わせて行いやすい生活動作を訓練し、その獲得を計ります。また必要に応じて、自助具や福祉用具の選定・提案も行い、退院後の不安をできるだけ少なくなる様相談していきます。
言葉によるコミュニケーションには言語、聴覚、発声、認知などの各機能が関係していますが、病気や事故などの問題でこのような機能が損なわれることがあります。言語聴覚士は言葉によるコミュニケーションに問題がある方に専門的に介入し、自分らしい生活を再構築できるよう支援する専門職です。また、当院では後述する摂食・嚥下の問題にも専門的に、積極的に対応します。
心臓リハビリテーションとは、心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。当院では、長年の循環器診療の知見をふまえ循環器専門医の指示のもと積極的な心臓リハビリテーションを提供しています。
口の中に食べ物を取り込んでからゴクンと飲み込み、食道を経由して胃まで送る、この一連の過程を摂食嚥下といいます。この食べる、飲み込む過程のどこかに問題を生じた状態を摂食嚥下障害と呼びます。摂食嚥下障害は栄養不良、誤嚥性肺炎という生命を脅かす原因となり、また食べるという人生の喜びを奪う障害でもあります。
摂食嚥下リハビリテーションでは、食べる過程のどこに問題があるのかを詳細に評価し、機能回復のアプローチとともに食べ物の形や食事姿勢などを検討します。医師、看護師、リハビリスタッフがチームとなり、患者様の食べる喜びを支援します。
装具は、疾病や受傷により失われた身体機能の補助や、変形の矯正、予防などの目的で使用する、身体外部に装着する機器の総称です。医師や義肢装具士、理学療法士、作業療法士など専門のスタッフにより総合的な診療を行い、患者さんの身体機能や生活環境に最も適した装具を作成致します。
また、その装具を使用しリハビリにて日常生活動作練習を行うことで、退院後の生活がより安全に過ごすことができます。
電気刺激療法とは脳卒中(脳梗塞や脳出血)など疾病によって動かしにくくなった筋肉や神経に電気を流すことで、動きを促し、トレーニングの効果を高めることや、痛みが生じている筋肉に電気を流すことで痛みの軽減を図る方法です。
(2024年9月現在)
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